「コードギアス 亡国のアキト 第五章(最終章)」でも今までと同様にモニターグラフィックス・モーショングラフィックスを制作しました。
物語も佳境をむかえ、全編通して戦闘シーンの緊張感が演出されています。
そのためKMFのコックピットとEU軍の司令室が多く、必然的にモニターの登場頻度も高くなりました。
そこで過去話数から継承するデザインと新規デザインを精査し、作業に対してのコスト(時間)のかけ方をディレクター陣、マネジメント陣と相談しつつすすめました。
新規のデザインをあげると、ギアストンネルと言われるイメージ空間エフェクトの高速ver、同じくレイラver、ヴァイスボルフ城(周辺含む)をの3D全体図、同じく3D構造図、
医療室、他などがあげられます。ポップアップウィンドウ・サブウィンドウ関係も多く新作しました。
そして何と言っても、今回が最終章ということで監督がこだわった、Aシーンのソフィ・ジョーワイズの多次元シミュレーションのモニター群の制作に
作業時間の多くを割くことになりましたが、序盤にブレスト→コンセプトデザイン制作をすることで複数の提案でき、そのうちの多くを採用していただくことができました。
モーショングラフィックスリールでは、前述のAシーン:ソフィのモニターの制作工程を紹介しています。
コンセプトとして"クラインの壺"というヴィジョンをご提案いただき、それを膨らませ、広げることで複数のデザインをしています。
3Dオブジェクトはアニメーションも含めてCinema4Dで制作しました。
モデルは多くがスプラインの回転体から生成しましたが、中には数式を再現するためC.O.F.F.E.Eスクリプトで出力・制作したモノのあります。
今まで通りMographの活躍はもちろんのことですが、R17から提供されたテイクシステムの使用感がとてもよく
同一シーンのマテリアル違いなどのファイルを複数作成する必要がなく、プロセスファイルの管理や修正対応もとても楽になりました。
また、X-Particlesも多く使用しています。以前からギアストンネルの制作などで活用してきましたが
具象的かつ抽象的なモノをつくるのに適していると感じており、A012のBreakDownにみられる線状渦巻きのようなグラフィックは
X-Partilcesから出力したトレーサーをベースのスプラインとして、Mosplineでアニメーション仕上げをして作成しています。
c584〜表示される脳のグラフィックは3章で使用したデザインに3Dのエレメント(脳の前後についたパラボラアンテナ状のデザイン)を足す必要にせまられました。
3章時、AEとC4Dでの複雑なハイブリッド作業であったため、Element3Dを使用してAEで作業することも検討しましたが、結論としてはC4Dで作成し、
他の部分も修正・リファインして最終章用とすることができました。
Illustrator、AfterEffects、Cinema4Dをメインツールとして制作してきましたが
どのデザインをどのツールで始め、足りなければどの段階から追加作業を始めるのかといった判断の繰り返しでした。