映画はたくさんではありませんが、興味をそそるものを見ています。
それと作品傾向が想像しやすいことやカメラマンなどのスタッフが
チームになっているため監督によって選択することも多いですね。
米国アカデミー賞が発表されましたが
ノミネート作品が発表されたあとにスリー・ビルボード(Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)を、
発表当日にシェイプ・オブ・ウォーター(The Shape of Water)を鑑賞しました。
ダンケルクは昨年中にIMAXにて鑑賞しましたね。それらのことを少し書きます。
ドラマとしての好みで言えば、スリー・ビルボードが好きです。
善悪を心情が行き来しつつ、正義の基準とは?ということを問われているようで、
まるで芥川龍之介の羅生門の読後のような気持ちになります。
決して正義を見せつけるような作品ではありません。ラストもよいです。とても好みでした。
また、映画というメディアを最大限に生かしているのは、
巨大スクリーンに映し出される細密な画面、凝った音響演出など映画館で鑑賞するという点ではダンケルクだと思います。
しかし素晴らしい映画ですが通常のTVやPCモニター環境だと価値は半減してしまうようにも感じたので
ノーラン監督の映画ではインセプション、インターステラーとちがいパッケージは購入していません。
ただし劇場でもう一度みたいです。もしかするとVRとかもよいかもしれません。
撮影監督がホイテ・ヴァン・ホイテマというのも作品のスケール感を演出していると思います。
そして最後に世界観設定、きめ細かい作り込み、客を飽きさせないエンターテイメント、
社会風刺に問題提起ととてもトータルバランスが良いシェイプ・オブ・ウォーターですね。
デルトロ監督の映画ではブレイド2が好きですがヒーローものとヒューマン(?)なので内容の違いはありつつも
今作は全体的に近似した印象を持ちました。
ただ、ブレイド2がやや様式美という免罪符でストーリー上の矛盾を正面突破で乗り切っていたのに比べ、
非常に緻密に練り上げられており丁寧に伏線を回収している感があり
ひゅーさすがだなーといった感じになっているように思います。
アヴァンタイトルのヒロインのキャラクター紹介はエログロタブーっぽい表現も軽く扱い
とてもコンパクトでオシャレでうまいなーと思いました。MVっぽくもありましたね。
そしてこれは本当に個人的な好みの問題なのですが
まとまりすぎているよりも、少し考える余地を持って、鑑賞後にもモヤモヤする作品がすきなんですよね。
シェイプ・オブ・ウォーターはToy Story3、バックトゥザフューチャーシリーズのような
そのまとめ方だと面白いよ〜!いやーよかった!
という感じで完結してしまうんですよね。残りづらい。
邦画では道産子監督で、後味の悪い作品を撮らせたら随一の白石和彌監督の
彼女がその名を知らない鳥たちがよかったですね。