Adobe AfterEffects ベンチマーク

今回はAdobe AfterEffectsのお話です。

AfterEffects CC 2015ではレンダリングエンジンが書き直されたり、OS X El CapitanではMetal for Macに対応予定だったりとAfterEffectsの描画周りで変化が起こっています。では、バージョンの違いによってレンダリング速度がどの程度変わるのか、今回はベンチマークAEPを使用して調べてみました。

私は以前から思い出した時に、当時使ってたコンピュータでAfterEffctsのベンチマークを取って来ました。そこで、PC環境の変化やAfterEffectsのバージョンの違いでどれ位変化があるのかという参考としてそのデータを紹介したいと思います。


ベンチマークには古くからベンチマーク用AEPとして配布されている「AE-Speedometer」を使用しています。このAEPでは主に3Dレイヤー機能と標準エフェクトを使用してベンチマークを取っており、CUDAは使用していませんので実質CPUとメモリの性能で結果が変わると考えてよいと思います。最近では、slashCAM After Effects BenchmarkAE CS6 11.0.1 CUDA BENCHMARK PROJECTの方がベンチマークとしてはメジャーですし、CUDAの性能を比較したいという場合には有用ですので、色々比較してみたい方はそれらもご参考に。
少し脱線しますが、通常UIのレンダリングとコマンドラインレンダリングで大きく結果が変わることもあり、使用している機能でレンダリング方法を変えるということもレンダリング時間を短くする上で有用な方法です。

さて、こちらがベンチマークの結果です。
MacProやhp z400のデータも取った記憶はあるのですが、見当たらず今回は掲載出来ませんでした。。
見つけた際にはここに追記したいと思います。

機材 CPU メモリ GPU AEバージョン マルチコア レンダリング時間
iMac 2013 Core i7-4771@3.50GHz 32GB GeForce GTX 780M CC 2015 設定なし 142秒
iMac 2013 Core i7-4771@3.50GHz 32GB GeForce GTX 780M CS6 シングルフレーム 174秒
iMac 2013 Core i7-4771@3.50GHz 32GB GeForce GTX 780M CS6 マルチフレーム 175秒
hp xw4600 Core 2 Quad Q9550@2.83GHz 4GB Quadro FX 1800 CS4 マルチフレーム 509秒
hp xw4600 Core 2 Quad Q9550@2.83GHz 4GB Quadro FX 1800 CS4 シングルフレーム 479秒
hp xw4400 Core 2 Duo E6400@2.13GHz 4GB Quadro FX 1500 CS4 マルチフレーム 986秒
hp xw4400 Core 2 Duo E6400@2.13GHz 4GB Quadro FX 1500 CS4 シングルフレーム 988秒
hp xw4400 Core 2 Duo E6400@2.13GHz 4GB Quadro FX 1500 CS3 マルチフレーム 830秒
hp xw4400 Core 2 Duo E6400@2.13GHz 4GB Quadro FX 1500 CS3 シングルフレーム 948秒

hp xw4400のリリースが2006年ですからiMac 2013モデルとは7年経っています。AEのバージョンによる違いはあるものの、この2台を比較する(CS3 Single vs CC 2015)と6.67倍に高速化されていますね。他にもバージョンによってはマルチフレームの分割処理に時間がかかりシングルフレームよりも遅くなるという現象が起こっているバージョンもあります。そういったデータも取れる興味深い結果になっています。最近ではCUDAを使用して高速化するプラグインもありますので、どういった条件でレンダリングが早く終わるのかということ調べたり、どういった手順でコンポジットすれば効率的にレンダリング出来るのかというようなことをデータとしてまとめると、作業の効率化の手助けにもなるかと思います。

今回のお題はベンチマークでしたが、「Metal for Mac」なども発表されましたので、OSのフレームワークよりのお話しも近々書きたいと思っています。



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