Session Starducks by Seatbelts
Space Lion virtual session 2020

東京が緊急事態の間に参加させていただいたお仕事がリリースされました。
映像・画像の使用許諾をとるのが難しいと予想され、
解説ページを用意することができないと思うのでざっくりと解説します。

また、演奏が素晴らしすぎて映像はあまり注目されないと思いますのでひっそりと。
プロジェクト全体のなかでの作業は編集・ビデオエディットとされています。

Space Lion 2020以外の楽曲はアシスタント業務のようなかんじで
各動画の同期をとったり、本編集作業用にガイドテロップいれてみたり
動画の窓ごとにIllustratorでボーダーを引いてみたりといった作業でしたが
時間はかかっても案外難しくはくありませんでした。

そしてSpace Lion 2020に関してですが、、、
まず元のSpace Lionに関しては制作会社に入社して
映像(アニメ)に関わるより以前の思い出の曲です。
丸々一本担当させていただけたことはとても嬉しかったです。
個人の思いによる感想ですが、作業中に音源を聴きながら感傷に浸って泣きそうになってしまえるほどの名曲です。
映像の上がりにはご納得していただけたようで
割と素材的な制約が大きい中で担当させていただいた甲斐がありました。

具体的な使用ツールは

  1. Adobe Premiere Pro 2020
  2. Adobe After Effects 2020
  3. Adobe Illustrator 2020
  4. Adobe XD
  5. Red Giant Trapcode Particular
  6. Red Giant Trapcode Mir
  7. Red Giant Magic Bullet Looks
  8. Frischluft Lenscare for AE
  9. Maxon Cinema4D Studio R20
  10. Blackmagic Design DaVinci Resolve Studio 16

立ち上げから参加していたわけではないので、経緯、募集要項など詳しくはわからないですが
様々なフォーマットが入れ乱れていて、Windowsで変換かけたりMacで変換かけたり
AEでアップスケールFXかけたり、DaVinciで肌質感をスムーズにしたり色々とやりました。

なにせUHD(3840×2160)での作業ということで
ただ並べて同期をとった状態をプレビューするにしても
複数トラックをリスケール・合成した状態なのでストレスがおおきかったです。
タイミングを決め込んだラフエディット後はAEにもっていっての作業で
以前にエントリーしたスクリプトを書いたりして作業負担の軽減を図ったのでした。
※AEのレイヤーとPRのトラックにコピペ可能な互換性があることも初めてしり
便利機能だけどなんとなく裏技っぽいなと思いました。

音楽素材、各ミュージシャン動画、ロゴ・フォント素材以外の
背景(宇宙、船内CG、モニターコンソールCG)や、炎っぽいワイブ素材、グリッチ用素材なども含め
絵に関する素材はすべて今回作りました。

といっても流星はParticularですし、炎っぽいワイプ素材はMirです。
そして宇宙のベースマップとグリッチ用素材はフラクタルノイズです。
冒頭の宇宙船内っぽい背景と中盤のモニターコンソールっぽい背景はC4Dで作成しました。
もう少し時間がかけられるようであればBlenderでの作業としたかったのですが
ルックの調整につまづきたくなかったのでC4Dとフィジカルレンダラーにしました。
冒頭シーンは暗・点・明の各1枚ずつの背景とボリュームライト2枚しか出していませんが
UHDサイズだとまとめて2時間ぐらいかかりました。
しかしなかなか効果も大きく良い雰囲気を作ることができたと思っています。

総括ですが、今までにも散々経験し今回あらためて実感したのは
やはり、手数をかけなきゃなかなか納得できるものはできない。
ということです。
どれだけ経験しても楽していいものができる方法は見つからないですよ。
天才の方々には当てはまらないかもしれませんがね 笑

それがわかったところで、手数をかけるために計算機の力で楽できるところは楽するようにしたいですね。
200からあるレイヤーの中から目的のレイヤーをポチポチ選択するとか、
コンポサイズを変更したら全レイヤーを手作業でリスケールするとかそんなことしてられませんし、
そのリスクを考えてコンポサイズ変更を躊躇してる場合でもありません 笑
こういった場面をスクリプトやエクスプレッションでショートカットして
(スクリプト処理であれば複数のプロセスを一回の履歴としてアンドゥすることもできますし。)
どんどん手数をふやしていくことに慣れていけば明確な完成イメージが
最初になくても焦ることなくジワジワと寄せていき、
タイムアップまでブラッシュアップすることができるように思います。

手数を増やすことには度胸というか慣れが必要です。
昔はアンドゥの回数制限とか、セーブ・未セーブのジレンマに苛まれ
手数を増やすことをためらっていた時期があります。
手を動かさず頭で最短ルートを考えていたということです。
大概が結果に結びつかず言い訳ばかりでなかなか成長しませんでした 汗
皆様もお気をつけください。

今後、社会環境やユーザーの求めるものに急激な変化があると予想しています。
今回のお仕事が映像制作者としてメインで関わる最後の機会になるかもしれません。

自分にとって今後を生き抜くための糧になる良い経験ができました。

See you space Cowboy …
and THIS IS NOT THE END.



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