レンダリング時間の比較第2弾です。
前回はこちら
と言っても別段シリーズものではありません。
どうなん、これ?
ってのをやっているだけなんですが、、、
アニメの撮影処理が複雑化してきていることは
何度か触れてきましたが
キャラクターのセルに関しては
グロー、グラデに始まる処理をしやすいように
撮影時に以下のように色選択エフェクトを駆使して
パーツ分けをすることが普通になっています。
・肌
・服飾品
・髪
・目
etc…
そこで現場で頻繁に行われている(想像です)のが
コンポ内でコントローラーになるレイヤーに
それぞれの色選択エフェクトのテンプレートを用意して
エクスプレッションでワイヤリングするという手法なのです。
今までに自分たちでもやってきていたことなので
レイヤー数が少ないうちは違和感はありません。
しかし、例えば”服”というエフェクトテンプレートを参照しているレイヤーが
5レイヤーあったとしたら、、、、
もーそれはテンプレを参照するんじゃなく
“服”ってコンポとしてしまった方が
色々な意味で効率的なのではないかと思ったのです。
ということで実験です。
レンダーキューをごらんください。
それぞれのコンポの基本データは
某作品のAセル(8枚の連番)
パーツ・処理ごとにレイヤー分けされ
65レイヤー(いわゆる”カラー”のみの1Passから生成されている数なのでびっくりです。)で構成されており同一です。
結果もブレンドモード”差”で真っ黒になることを確認済みです。
違いに関しては
1.preComp :エフェクトテンプレートをプリコンポしてフッテージ化。デュレーションを500%伸長
2.InCompWiring :エフェクトテンプレートを参照。デュレーションを500%伸長
3.preComp(PosterizeTime) :1をタイムリマップし、posterizeTime(3)でステップ化
4.InCompWiring(PosterizeTime) :2をタイムリマップし、posterizeTime(3)でステップ化
1,2のようなことはアニメの撮影では基本的にはあまりないと思いますが
(セルにタイミングを打ってプリレンダリングするなどの特別な場合でない限り
タイムストレッチをリニアな状態で行うことはないと思うので)
伸長したサブフレームもexpressionを演算するので結構な差です。
1:27秒
2:41秒
約150%です。
そして3,4が一般的にアニメの撮影で行われているような状態だと思います。
3:7秒
4:9秒
大きく差はないように感じますが、セルの数やその後のフィルタなどによって
効いてきそうな気もします。
ご興味のある方は、試してみると良いかもしれません。
expressionって便利なので覚えるとついつい多様してしまいがちですが
状況に応じて見直しも必要になってきそうです。